LoRaレスキューネット実証実験報告書
保育園での避難訓練における報告書
実施日時:2019年9月25日 10時00分~10時20分
参加スタッフ:臼井義美、妻木祐介、石垣嘉崇、橋本典和、西庄恵介、下川奈美路
台風や地震発生後、逃げ遅れる子どもたちも多数いることが想定できるため、子どもたちをいかに早く避難させるとともに行方不明者を効果的に救援することが可能か、保育園と消防本部が実施する避難訓練にて以下の実証実験を行った。
- GPS発信機(以下:トラッカー)を園児のライフジャケットに取り付け、定期的に位置情報を発信。
- 防災センターにて救援サポートシステムを準備し、位置情報のモニタリングと救助指示を行う。
- そのシステムを使ったタブレットを救援隊が持ち、最適なルートで救援を必要としている子供たちを助ける。
- ドローンを活用し、リアルタイム映像による目視確認、ドローンに搭載したトラッカーによる位置情報の把握することで迅速に救助を必要としている子どもの捜索。
避難訓練開始に備えるスタッフ
保育園の会議室を[避難所]に、NPO情報セキュリティ研究所の会議室を[防災センター]と見做して、トラッカーの位置情報を映し出すモニターを各所に設置。
また、防災センターにはドローンの映像をリアルタイムに映し出すモニターを設置した。
保育園にて、園児が着用するライフジャケットにトラッカーの装備、避難役・迷子役のスタッフにトラッカーを装着。
避難所の準備 |
ウェアラブル型 |
ヘルメット型 |
防災センターのモニター |
ドローン映像モニター |
ドローンの飛行準備 |
避難訓練と実証実験の様子
保育園では、非常ベルの合図とともに、教員の指示の下、園児はライフジャケット(一部、トラッカー付)を着用し、今回の避難場所である園庭へ避難が開始された。
ドローン担当スタッフは、ドローンの映像から避難状況の確認と、防災センターとのやり取りを開始。
避難を開始する園児 |
避難の様子を捉えたドローンの映像 |
園児は教員の誘導の元、園庭に避難を完了。
無事に避難を完了した園児たち |
防災センターにて、地図表示モニターに表示されるマーカーが1つだけ避難場所から外れているものを確認。
ただちに、防災センターから救助担当スタッフとドローン担当スタッフへ救助の指示を出した。
外れた場所にあるマーカー(右下) |
救助指示を送る防災センター |
防災センターから指示を受けたドローン担当スタッフは、先行してドローンをマーカー付近へ飛行させ、迷子役スタッフの位置と現場の状況映像を、防災センターへ送信。
映像で状況を確認する防災センター(左)、ドローンからの映像(右) |
続いて、救助担当スタッフがマーカー付近にて捜索を開始し、無事に迷子役スタッフを保護し、無事に実証実験が終了した。
タブレットに表示されたマーカーを元に、迷子役を発見した救助スタッフ |
まとめ
保育園の園児27人分のライフジャケットにトラッカーを装着し、約2km離れた防災センターと、スタッフが所持するタブレット端末で位置情報を確認することができた。
また、ドローンの映像で避難の状況だけでなく、スタッフ到着前に救助者の確認や周辺の状況確認が行えるため、かなり有用であることがわかった。